メーターモジュールとは?尺モジュールとの違いやそれぞれのメリット・デメリットをご紹介!
家づくりを検討している方で、メーターモジュールと尺モジュールの違いを知りたい方もおられるのではないでしょうか。どちらを選ぶかによって、間取りの自由度や建築コストに影響が出るため、それぞれの違いを理解しておく必要があります。
本記事では、メーターモジュールの概要や尺モジュールとの違い、それぞれのメリット・デメリット、注意点をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
メーターモジュールとは?
メーターモジュールとは、主に建築設計において使用される単位です。このモジュールは、建物のそれぞれの部分が適切に調和し、効率的に配置されるようにするための基準になります。
メーターモジュールはメートル法に基づいており、国際的な建築プロジェクトにおいて広く採用されている計測基準です。その明確な計測基準は、設計の一貫性を保ちつつ、細部にわたる調整を容易にします。
メーターモジュールと尺モジュールとの違い
メーターモジュールは、建築設計において1mを基準とした計測基準であり、設計の際に1m四方のグリッドで設計するのが特徴です。このモジュールは、主にヨーロッパ圏で用いられており、最近では日本でも採用する建設会社が増えています。
一方、尺モジュールは、伝統的な日本の寸法である3尺(約910mm)を基準としているため、1グリッドの面積がメーターモジュールよりも狭くなるのが特徴です。
メーターモジュールのメリット・デメリット
次に、メーターモジュールのメリット・デメリットについて解説します。
・メリット
・デメリット
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
メリット
メーターモジュールを採用した場合、広い住空間を実現できるというメリットがあります。このシステムでは、トイレや廊下、脱衣所などの各設備を尺モジュールよりも約90mm広く設計できるため、より広々とした生活空間の提供が可能です。
これにより、日常生活における動きやすさが向上し、とくに、バリアフリー設計が求められる環境では、車椅子ユーザーや要介護者がより快適に過ごせるようになります。
デメリット
メーターモジュールで家を建てると、コストが割高になる可能性があります。その理由は、主流である尺モジュールに比べて資材や設備の選択肢が少なく、オーダーメイドになる可能性が高いためです。
たとえば、建材や設備は尺モジュール規格で設計されるのが一般的で、メーターモジュール用の既製品は限られているため、特注対応が求められます。また、メーターモジュールは広めの敷地が必要なため、土地や建築費用が高くなりやすいというデメリットもあります。
尺モジュールのメリット・デメリット
次に、尺モジュールのメリット・デメリットについて解説します。
・メリット
・デメリット
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
メリット
尺モジュールは、幅広い選択肢が用意されており、調整が容易である点がメリットです。建築資材や家具、DIY製品はこの基準で設計されているのが一般的で、後から変更が必要な場合にも対応しやすい点が特徴です。
また、一部の企業では尺モジュールを基本としつつ、必要に応じてメーターモジュールを取り入れた設計もできます。この柔軟性により、住まい全体のバランスを保ちつつ、最適なプランを実現できます。
デメリット
尺モジュールは主に日本国内で用いられる建築単位システムで、国際的な基準と異なるため、グローバルな建築プロジェクトにおいては互換性が低い点がデメリットです。
また、尺モジュールを採用すると、メーターモジュールに比べて約90mmのスペースが少なくなり、その結果、廊下や脱衣所などの空間が狭くなる場合があります。これにより、バリアフリー設計が困難になり、高齢者や身体障害者の利便性が損なわれる場合があります。
メーターモジュールで家を建てる場合の注意点は3つ
次に、メーターモジュールで家を建てる場合の注意点について解説します。
・部屋の広さが担保できるか確認する
・コストが割高にならないかチェックする
・家の優先順位を決める
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.部屋の広さが担保できるか確認する
メーターモジュールの採用を検討する際には、敷地の広さが十分か確認しなければなりません。このモジュールは、部屋だけでなく、廊下やトイレ、浴室、階段など、家全体を1,000mm×1,000mmのグリッドで設計する必要があります。
このため、敷地が狭い場合には居住スペースが制約を受ける可能性があります。後悔しないためにも、理想の間取りが実現できるか、あらかじめ検討してみてください。
2.コストが割高にならないかチェックする
既製品の多くは、尺モジュールに対応している場合がほとんどです。このため、メーターモジュールを選択した場合、設備をオーダーメイドで特注する必要があり、コストが上昇する可能性があります。
また、和室を設ける場合は、畳もオーダーメイドしなければなりません。このようなポイントに注意し、予算に見合った計画を立てるためには、信頼できる業者を選び、複数の見積もりを比較検討する必要があります。
3.家の優先順位を決める
設備や広さ、価格、耐震性能など、それぞれの要素が家の完成度に大きく影響します。バリアフリーや広いスペースを重視する場合は、メーターモジュールを選ぶのがおすすめです。
一方で、限られたスペースで快適な居住空間を確保したい場合は、尺モジュールが適しています。これらの優先順位を決定するためにも、自分にとって理想的な住まいを明確にしておきましょう。
メーターモジュールでよくある3つの質問
最後に、メーターモジュールでよくある質問について紹介します。
・質問1.メーターモジュールが向いている人とは?
・質問2.尺モジュールが向いている人とは?
・質問3.平屋はメーターモジュールと尺モジュールのどちらがおすすめ?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.メーターモジュールが向いている人とは?
メーターモジュールは、予算よりも住環境を重視したい方におすすめの選択です。メーターモジュールは、広々とした住まいを実現するための設計ですが、その分費用もかさむ傾向にあります。
家を建てる際には、費用や予算が大切な要素となりますが、広い家に住みたいという理想を優先する場合、メーターモジュールが最適です。さらに、二世帯住宅や親の介護を考慮した住まいにも適しており、広い通路やスペースが確保できるため、生活の利便性が向上します。
質問2.尺モジュールが向いている人とは?
尺モジュールは、日本の伝統的な建築様式やデザインを重視する方におすすめです。尺モジュールは、日本固有の寸法に基づいているため、和室や茶室など、伝統的な日本建築における細部の美しさを表現するのに最適です。
また、コンパクトな空間を効率的に利用したい場合や、土地が限られている都市部での建築に向いています。
質問3.平屋はメーターモジュールと尺モジュールのどちらがおすすめ?
平屋住宅を建てる際には、メーターモジュールを採用するのがおすすめです。メーターモジュールは、現代の建材や家具との高い互換性を持ち、効率的な空間の活用ができます。
一方で、尺モジュールは日本の伝統建築に適しているものの、現代のライフスタイルや機能性を考慮すると、メーターモジュールの方が柔軟で実用的な選択です。このため、平屋の限られた空間でも、快適で住みやすい居住環境を実現できます。
なお、岡山で平屋の建築に定評のあるメーカーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:岡山で平屋の建築に定評のある住宅メーカー10選|住宅メーカー選びのポイントも徹底解説!
まとめ
本記事では、メーターモジュールの概要や尺モジュールとの違い、それぞれのメリット・デメリット、注意点をご紹介しました。
メーターモジュールとは、建築設計において1mを基準とした計測基準で、設計の際に1m四方のグリッドで設計するのが特徴です。一方で、尺モジュールは、伝統的な日本の寸法である3尺(約910mm)を基準としており、メーターモジュールよりも90mm狭いグリッドで設計します。
メーターモジュールのメリットとしては、廊下や部屋の広さを確保しやすい点が挙げられますが、資材の選択肢が少なく、コストが割高になる可能性があります。尺モジュールは、一般的にコストが抑えられ、間取りの自由度が高い点がメリットです。
なお、メーターモジュールで家を建てる際には、部屋の広さやコスト面、家の優先順位を事前にしっかりと確認することが大切です。
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