
南海トラフで岡山は安全?想定される影響と岡山が安全と言われる3つの理由をご紹介!
南海トラフ巨大地震の足音が迫る中「岡山県は災害が少ないから安全」という声をよく耳にします。とくに、四国が盾となり、津波の影響が少ないというイメージもあるかもしれません。
しかし、その「安全神話」を鵜呑みにするのは危険です。最新の被害想定では、岡山市や倉敷市など県南部で震度6強の激しい揺れや、甚大な液状化被害が予測されています。
本記事では、公的機関のデータに基づき、岡山県が直面する南海トラフ地震のリアルなリスクを解き明かします。そして、あなたと大切な家族の命を守るために不可欠な防災対策についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
南海トラフ巨大地震とは?
南海トラフ巨大地震は「南海トラフ」で発生する地震です。南海トラフとは、日本の太平洋沖、駿河湾から九州東方沖にかけて伸びる水深約4,000mの深い溝を指します。
この場所では、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に年間数センチの速さで沈み込んでいます。その境目に蓄積されたひずみが限界に達するとプレートが跳ね上がり、巨大な地震と津波が引き起こされるのです。
この地震は、過去の記録から概ね100年から150年の周期で繰り返し発生してきました。直近では1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震が発生しており、次の巨大地震の発生が切迫している状況です。
政府の地震調査委員会は、南海トラフ巨大地震が今後30年以内に70%〜80%という非常に高い確率で発生すると予測しています。このため、日本全体での備えが急務となっています。
南海トラフ巨大地震で想定される岡山県の3つの影響
日本全体を揺るがす南海トラフ巨大地震は「災害が少ない」とされる岡山県にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。私たちの生活を脅かす具体的な被害が想定されていて、決して他人事ではありません。
ここでは、岡山県で特に警戒すべき3つの影響について解説します。
県南部で想定される最大震度6強の揺れ
岡山県では、南海トラフ巨大地震によって県南部を中心に最大震度6強の揺れが想定されています。震度6強とは、立っていられず、はって動かなければ移動できないほどの激しい揺れです。
耐震性の低い木造家屋は倒壊するものが多くなり、多くの建物で壁のタイルや窓ガラスが破損、落下します。岡山市や倉敷市といった人口や建物が密集するエリアでこの揺れが発生すれば、甚大な被害につながる恐れがあります。
なお、地震に強い家が求められる理由については、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事: 地震に強い家が求められる理由や家を建てるときの注意点をご紹介!
沿岸部に到達する津波の高さと時間
岡山県は瀬戸内海に面しており、太平洋からの直接的な津波の影響は小さいと思われがちですが、油断は禁物です。地震発生後、最も早い場合で約2時間50分後には、岡山県沿岸部に津波の第一波が到達すると想定されています。
想定される津波の高さは、倉敷市や笠岡市で最大4メートルに達する可能性があります。岡山市の沿岸部でも3メートルに達する見込みで、沿岸の低い土地では浸水被害への警戒が不可欠です。
広範囲で懸念される液状化現象
岡山県で特に警戒すべきなのが「液状化現象」です。液状化とは、強い地震の揺れにより、水分を多く含んだ砂質の地盤が液体のようになる現象を指します。
岡山平野は、もともと海や川だった場所を干拓や埋め立てによって造成した土地が多く、液状化のリスクが非常に高い地盤です。液状化が発生すると、建物が傾いたり沈下したり、マンホールが浮き上がったりするなど、ライフラインに甚大な被害をもたらす恐れがあります。
岡山が安全と言われる3つの理由
南海トラフ地震のリスクがある一方で、岡山県が比較的安全と言われるのには、地理的・歴史的な理由があります。しかし、これが油断に繋がらないよう、その根拠を正しく理解しておきましょう。
1.四国が防波堤となる地理的条件
岡山県が「安全」と言われる最大の理由は、その地理的な位置です。南海トラフは四国の沖合に位置しており、巨大地震で引き起こされる津波のエネルギーの多くは、まず四国山地が受け止めます。
この「防波堤」としての四国の存在により、津波が瀬戸内海へ回り込む際には勢いが大幅に減衰するため、太平洋に直接面している高知県や和歌山県などに比べ、岡山県沿岸部での津波の高さは相対的に低く抑えられると予測されています。
2.主要都市を避ける活断層の分布
地震の揺れは、南海トラフのような海溝型地震だけでなく、内陸にある「活断層」の動きによっても発生します。岡山県内にも那岐山断層帯や山崎断層帯といった活断層が存在しますが、これらの多くは県北部に集中しているのです。
県庁所在地である岡山市や、県下第2の都市である倉敷市など、人口や産業が集中する県南部の主要エリア直下には、大規模な活断層がないとされています。この点も、岡山県の地震リスクが比較的低いと認識される一因です。
3.過去に大きな地震被害が少なかった歴史
歴史を振り返っても、岡山県が震源となる巨大地震の記録はほとんど見られません。また、周辺県で発生した地震による被害も、他の地域と比較して軽微であったと報告されています。
例えば、1946年に発生した昭和南海地震(M8.0)では、岡山県内の死者は11名、家屋の全壊は63棟でした。甚大な被害を受けた高知県(死者670名)や和歌山県(死者269名)と比較すると、岡山県の被害規模は小さかったのです。
こうした過去の経験が「岡山は地震に強い」というイメージを形成していると考えられます。
参考:昭和南海地震|気象庁
なお、岡山県の災害状況については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:岡山県は災害が少ないの?地方移住者に選ばれている理由やよくある質問をご紹介!
安全神話の裏に潜む!知っておくべき2つのリスク
「岡山は安全」というイメージが先行しがちですが、南海トラフ巨大地震の被害想定を詳しく見ると、決して楽観視できないリスクが存在します。安全神話を過信せず、正しいリスクを直視するのが防災の第一歩です。
県南部に広がる深刻な「液状化」の危険
岡山県で特に警戒すべきなのが「液状化現象」です。液状化とは、強い地震の揺れにより、水分を多く含んだ砂質の地盤が液体のようになる現象を指します。
岡山平野は、もともと海や川だった場所を干拓や埋め立てで造成した土地が多く、液状化のリスクが非常に高い地盤です。岡山県が公表する「液状化危険度分布図」によれば、広範囲で液状化の危険性が「極めて高い」と示されています。
特に岡山市南区や中区、倉敷市の水島地区などでその傾向が顕著です。液状化が発生すると、建物が傾いたり沈下したり、マンホールが浮き上がったりするなど、ライフラインに甚大な被害をもたらす恐れがあります。
沿岸部に到達する「津波」による浸水被害
四国が防波堤になるとはいえ、津波のリスクがゼロになるわけではありません。岡山県の想定では、倉敷市や笠岡市で最大4メートル、岡山市でも最大3メートルの津波が予測されています。
このため、沿岸の低い土地では広範囲な浸水被害が想定されるのです。津波は、たとえ高さが数十センチであっても、人を簡単に押し流すほどの破壊力を持っています。
沿岸部や河口付近にお住まいの方は、津波による浸水被害を軽視してはいけません。ハザードマップで浸水想定区域を確認し、迅速に避難できるよう準備しておくことが大切です。
南海トラフ地震に備える!今日からできる5つの対策
南海トラフ地震は、いつ発生してもおかしくない状況です。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、今日からできる具体的な対策を始めましょう。
ここでは、家庭で実践できる基本的な防災対策を5つ紹介します。
1.最低3日分(推奨1週間)の食料・水の備蓄
災害発生後、電気・ガス・水道といったライフラインが停止し、支援物資が届くまでには時間がかかると予想されます。そのため、各家庭での備蓄が非常に重要になります。
飲料水は1人1日3リットルを目安に、食料は火を使わずに食べられるアルファ米や缶詰、レトルト食品などを最低でも3日分、可能であれば1週間分を備蓄しておきましょう。普段から少し多めに食材を買い置きし、使った分だけ買い足す「ローリングストック法」も有効です。
2.家具の固定と安全なスペースの確保
過去の地震では、倒れてきた家具の下敷きになって亡くなったり、大怪我をしたりするケースが数多く報告されています。特に寝室やリビングなど、長時間過ごす部屋の家具の固定は必須です。
L字金具や突っ張り棒などを活用して、タンスや本棚、食器棚などを壁にしっかりと固定しましょう。また、部屋の中に物が散乱しないよう整理整頓を心がけ、揺れを感じた時にすぐに身を隠せる机の下などの「安全なスペース」を確保しておくことが大切です。
3.家族との安否確認方法と避難場所の共有
災害時には、携帯電話の回線が混み合って繋がりにくくなると想定されます。そのような状況でも家族の安否を確認できるよう、事前に複数の連絡手段を決めておきましょう。
NTTが提供する「災害用伝言ダイヤル(171)」や「災害用伝言板(web171)」の利用方法を家族で確認しておくのがおすすめです。また、それぞれが別の場所にいる時に被災した場合を想定し、集合する「避難場所」や「連絡が取れなかった場合のルール」などを具体的に話し合っておくことが重要です。
4.自治体の防災情報アプリの登録
自治体が提供している防災情報アプリや、緊急速報メールを受信できる設定は必ず行っておきましょう。これらのツールは、避難勧告や警報、避難場所の開設情報など、命を守るための重要な情報をリアルタイムで受け取るために不可欠です。
岡山県では「おかやま防災ポータル」など、災害情報を集約したウェブサイトも運営しています。普段からアクセスしてどのような情報が得られるかを確認しておくと、いざという時の落ち着いた行動に繋がります。
5.非常用持ち出し袋の定期的な点検
非常用持ち出し袋は、避難する際に最初に持ち出すべきものをまとめたリュックです。飲料水や食料、救急用品、携帯ラジオ、懐中電灯、モバイルバッテリー、貴重品などを準備しておきましょう。
準備して終わりではなく、年に1〜2回は中身を点検することが大切です。食品や乾電池の使用期限を確認し、季節に合わせて衣類を入れ替えるなど、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
すぐに持ち出せるよう、玄関や寝室など分かりやすい場所に保管しておくのを忘れないでください。
サイエンスホーム岡山店が選ばれる3つの理由
「サイエンスホーム岡山店」が選ばれる理由について解説します。
・ひのきの家
・真壁づくり
・性能と品質
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.ひのきの家
ひのきは古来より「木の王様」と称され、香りや触り心地が人に安らぎを与えています。このため、森林浴を思わせるようなひのきの家では、五感育ちの自然の癒しを実感できます。ひのきで作られた家に住むと、日々の生活のなかで木が持つ温もりを感じられやすいです。
サイエンスホームのひのきの家は、無垢の国産ひのきを贅沢に使っています。素材の美しさを保ちつつ、触れられる楽しさや香りに包まれる心地よさを追求しています。ストレスフルな現代において、ひのきの家は心の癒し、暮らしを豊かにする選択肢の1つです。
2.真壁づくり
「真壁づくり」は、日本の伝統的な建築工法を現代に伝えた住まいづくりが特徴です。柱や梁などの構造材を室内に見せるため、木の温もりを視覚や触覚で楽しめます。さらに、木が呼吸する特性によって、室内は快適な湿度が保たれ、空気環境も心地よいものになります。
また、サイエンスホームが提案する「真壁づくりの家」は、2015年にグッドデザイン賞を受賞しました。 木の質感や吸湿性を最大限に活かしながら、施工の効率化と価格の手頃さを両立した点が高く評価されています。
3.性能と品質
サイエンスホームが提供する住まいは、一年中快適な暮らしを支える外張り断熱であるため、高気密・高断熱仕様で、季節問わず快適に過ごせます。また、軸組とパネルを組み合わせたハイブリッド工法は、耐久性と安定性のある強固な構造が可能です。
また、内部建具や床には無垢材を使用しており、人と環境に優しいだけでなく、自然素材ならではの触り心地や温かみを感じられます。さらに、吹き抜けは、明るさと開放的な室内をもたらすため、居心地の良い空間を作り上げます。
なお「サイエンスホーム岡山店」は、ひのきの家や真壁づくりといった日本の伝統的な技法と、現代の高気密・高断熱技術を融合させた家づくりが特徴です。家づくりをご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。⇒サイエンスホーム岡山店への相談はこちら
南海トラフ 岡山 安全でよくある3つの質問
最後に「南海トラフ 岡山 安全」で、よくある質問を3つご紹介します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1. 岡山市と倉敷市では、どちらが危険ですか?
岡山市と倉敷市は、ともに南海トラフ巨大地震で震度6強の揺れが想定されています。危険性を比較する上で重要なのは、地盤の液状化リスクと津波による浸水リスクです。
液状化リスクについては、岡山市南区から倉敷市の水島地区にかけての沿岸工業地帯や干拓地で「極めて高い」と評価されており、両市とも非常に高いリスクを抱えています。津波リスクは、より海に近い倉敷市の方が最大津波高が4mと高く想定されていますが、岡山市も河川を津波が遡上(そじょう)する可能性があるため油断はできません。
結論として、どちらが一方的に危険とは断定できず、両市ともにそれぞれの地域特性に応じた高いリスクが存在します。お住まいの地域のハザードマップをピンポイントで確認し、リスクを把握することが最も重要です。
質問2. 津波は何時間後に到達しますか?
岡山県が公表している被害想定によると、地震発生から津波の第一波が岡山県沿岸に到達するまでの時間は、約2時間50分前後とされています。ただし、これはあくまでシミュレーション上の最短到達時間です。
地震の規模や震源の位置によっては、これより早く到達する可能性も否定できません。強い揺れを感じたり津波警報が発表されたりした場合は「まだ時間がある」と油断せず、直ちに高台や指定された避難場所へ避難を開始してください。
質問3. 移住を考えていますが、岡山で比較的安全な地域はどこですか?
岡山県内で比較的災害リスクが低い場所を探す場合、いくつかのポイントがあります。まず、液状化のリスクが低い内陸部の地盤が強固なエリアが挙げられます。
県の活断層は北部に集中しているため、岡山市北部や総社市、赤磐市などの丘陵地は、県南部沿岸の平野部に比べて相対的に地盤リスクは低いと考えられるでしょう。また、津波のリスクを完全に避けるためには、海抜の高い地域を選ぶのが絶対条件です。
ただし、山間部では土砂災害のリスクが高まる場所もあるため、移住を検討する際は、地震や津波だけでなく、洪水や土砂災害など総合的なハザードマップの確認が不可欠です。
なお、岡山への移住におすすめの人気エリアについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:【2025年最新】岡山への移住におすすめの人気エリア12選|失敗しないためのポイントもご紹介!
まとめ
「南海トラフ地震に対して岡山は安全」という一般的なイメージは、四国が防波堤となる地理的条件や、過去の被害が少なかった歴史に基づいています。しかし、最新の被害想定では、最大震度6強の揺れや、広範囲にわたる深刻な液状化リスク、沿岸部への津波到達など、決して無視できない危険性が明らかになりました。
安全神話を鵜呑みにするのは、防災意識の低下を招き、いざという時の対応を遅らせる最も危険な要因です。本記事で紹介したような公的なデータに基づき、居住を検討している地域のリスクを正しく認識するようにしましょう。
なお「サイエンスホーム岡山店」は、ひのきの家や真壁づくりといった日本の伝統的な技法と、現代の高気密・高断熱技術を融合させた家づくりが特徴です。家づくりをご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。⇒サイエンスホーム岡山店への相談はこちら
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