木材へウレタン塗装するメリット・デメリットとは?塗装の種類やよくある質問をご紹介!
ウレタン塗装は、木材の表面を塗膜で覆い、耐久性や木材の膨張や収縮を抑える効果がある方法です。しかし、デメリットも存在するため、メリット・デメリットを正しく認識しておきましょう。
本記事では、木材へウレタン塗装するメリット・デメリットや塗装の種類をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ウレタン塗装とは?
ウレタン塗装は、木材の表面を塗膜で覆い、保護機能を持たせるための方法です。ウレタン樹脂を使用する塗装は、木材を滑らかでツルツルとした仕上がりにするだけでなく、湿度の影響を軽減して、木材の膨張や収縮を抑える効果があります。
しかし、木材の通気性が失われるため、自然の調湿効果や香りが損なわれてしまう点がデメリットです。外観は無垢材に見えるものの、その性質は異なり、耐久性を重視する人に適した塗装方法です。
ウレタン塗装の種類
次は、ウレタン塗装の種類について解説します。
・水性塗料と油性塗料
・1液型と2液型
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
水性塗料と油性塗料
ウレタン塗装には「水性」と「油性」の2種類があり、それぞれに特徴があります。水性塗料は水で薄めるため、においが少なく、赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭でも使いやすい点が魅力です。
また、価格が手頃で環境への影響も少ないため、室内塗装に適しています。一方、油性塗料は耐久性が高く、ツヤが長持ちします。しかし、シンナーなどの有害物質を含むため、使用時には十分な換気が必要です。
1液型と2液型
ウレタン塗料には1液型と2液型があり、それぞれに異なる特性があります。1液型は硬化剤を使用せずに塗装ができるため、取り扱いが簡単で初心者にも最適です。
しかし、耐久性は2液型に比べるとやや劣り、乾燥に時間がかかります。一方、2液型は硬化剤を混ぜて使用するため、塗膜が強く耐久性に優れていますが、混合作業が必要で保存が難しく、価格も高めです。用途や塗装場所に応じて、適切なタイプを選びましょう。
木材へウレタン塗装するメリットは3つ
次は、木材へウレタン塗装するメリットについて解説します。
・経年劣化によるヒビ割れが起きにくい
・傷に強い
・シミがつきにくい
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.経年劣化によるヒビ割れが起きにくい
ウレタン塗料に含まれる樹脂は、弾力性があり、木材の湿度変化による伸縮にも柔軟に対応できる点が特徴です。このため、経年による塗膜のヒビ割れが起こりにくく、長期間にわたって木材の美観を保てます。
また、湿度が大きく変動する環境でも、ウレタン塗装は木材をしっかり保護します。このため、屋内外問わず使用する際に安心できる塗装方法です。
2.傷に強い
ウレタン塗装は、木材の表面をしっかりと保護して、日常の使用による傷やよごれから守る効果があります。この塗膜は非常に硬く、テーブルや椅子など頻繁に触れる家具にも最適です。
木材は傷がつきやすく、その傷によごれがたまるとカビの原因にもなるため、ウレタン塗装を施せば、美観と清潔さが保てます。また、塗膜の厚さも調整できるため、使用環境に合わせた適切な保護が可能です。
3.シミがつきにくい
天然の木材は水分に弱く、濡れたものを置いたままにするとシミができやすいですが、ウレタン塗装の場合は問題ありません。これは、塗膜が木材の表面を保護して、水分を弾くためです。
また、よごれが内部に浸透しないため、日常の清掃も簡単です。軽いよごれであれば、水拭きだけでも簡単に落とせるため、木の美しさを長く保てます。
木材へウレタン塗装するデメリットは5つ
次は、木材へウレタン塗装するデメリットについて解説します。
・木材のぬくもりを感じにくい
・紫外線の影響を受けやすい
・耐用年数が短い
・傷がつくと白っぽく目立つ
・自分で補修するのが難しい
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.木材のぬくもりを感じにくい
ウレタン塗装をすると、塗膜が木材の表面を覆うため、触れたときに木本来の柔らかな手触りが失われ、やや冷たい印象を与える場合があります。また、塗膜が厚いため、木の調湿作用も抑えられてしまい、木材が自然に湿度を調整する機能がなくなってしまいます。
このため、木の自然な質感や機能を重視する方は、ウレタン塗装以外の選択肢を検討しましょう。
なお、無垢材のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:無垢材のメリット・デメリットとは?種類ごとの特徴や選ぶポイントを詳しく解説します!
2.紫外線の影響を受けやすい
ウレタン塗料に含まれる樹脂成分は、紫外線を受けると変質しやすく、長時間直射日光に晒される場所では、塗膜が黄色く変色してしまう場合があります。さらに、屋外や窓辺では劣化が早まるため、外壁や屋根の塗装には適していません。
一度変色すると、元の色に戻すためには再塗装が必要になりますが、最近では変色しにくい改良品も出てきています。
3.耐用年数が短い
ウレタン塗装は比較的安価ですが、耐用年数が約8〜10年と短い点がデメリットです。外壁や屋根などの広い面積に使用する場合、定期的なメンテナンスが必要となり、長期的にみると維持コストがかさみかねません。
しかし、防水工事ではウレタン塗膜のうえにトップコートを塗布して、定期的なメンテナンスを行えば塗膜の寿命を延ばせます。トップコートを5年に一度塗り替えれば、耐久性をさらに向上できます。
4.傷がつくと白っぽく目立つ
ウレタン塗装は傷に強いというメリットがありますが、傷がつくと、白く目立ってしまいます。濃い色の木材に塗装している場合、傷がつくとその白っぽい部分がはっきりと見えるため、修復が難しくなります。
薄い色の木材であれば傷が目立ちにくいかもしれませんが、濃い色の家具や床材を選ぶ際は、ウレタン塗装の扱いには注意が必要です。また、傷がついた場合の補修方法も考慮しなければなりません。
5.自分で補修するのが難しい
ウレタン塗装している部分に、傷がついたり、剥がれたりした場合、専門的な知識や技術が必要です。このため、簡単に自分では修復ができません。
また、補修は部分的に実施するのではなく、全体を塗り直す必要があるため、大規模な作業となります。このように、ウレタン塗装の家具や建材を選ぶ際は、メンテナンスの手間も考慮しましょう。
木材 ウレタン塗装でよくある3つの質問
最後に、木材 ウレタン塗装でよくある質問について紹介します。
・質問1.ウレタン塗装は外壁にも使用できる?
・質問2.オイル塗装とウレタン塗装はどちらがおすすめ?
・質問3.ウレタン塗装が向いていないケースは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.ウレタン塗装は外壁にも使用できる?
最近の外壁塗装では、ウレタン塗装は以前ほど使われなくなっています。その理由は、ウレタン塗装がかつては手頃な価格と適度な耐久性で人気を集めていたものの、今ではより低価格で耐久性の高いシリコン塗料が主流になってきているためです。
ウレタン塗料は価格面では魅力的ですが、耐久性の面では他の選択肢に劣るため、コストパフォーマンスがよくないとされています。しかし、特定の住宅環境では、ウレタン塗装が適しているケースもあります。
質問2.オイル塗装とウレタン塗装はどちらがおすすめ?
オイル塗装とウレタン塗装の選び方は、使用環境や好みによって異なります。オイル塗装は、木材の自然な質感や香りを楽しみたい方に向いています。
天然の木材が持つ風合いや温かみを大切にして、多少のよごれや傷を経年変化として楽しめる方におすすめです。チークやウォールナットなどの美しい木目を引き立てる効果があります。
一方、ウレタン塗装は、傷やよごれ、水分に強く、日常のメンテナンスを簡単に済ませたい方に適しています。子どもやペットがいる家庭や、頻繁に手入れをするのが難しい場合には、ウレタン塗装が便利です。
質問3.ウレタン塗装が向いていないケースは?
ウレタン塗装が不向きなケースには、建物を長期間使用する場合があります。ウレタン塗料は耐久性が比較的低いため、長期的な視点ではコストパフォーマンスが悪くなりがちです。
また、耐久性が高く、コスト面でも優れた塗料としては、シリコン塗料やラジカル塗料がおすすめです。このため、ウレタン塗料に対する特別な理由がない場合は、これらの塗料を選ぶ方が経済的な負担を減らせます。
なお、木造住宅の耐用年数については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:木造住宅の耐用年数とは?平均寿命や長く住むためのコツを詳しくご紹介します!
まとめ
本記事では、木材へウレタン塗装するメリット・デメリットや塗装の種類をご紹介しました。
ウレタン塗装は、木材を保護して、美しい仕上がりを維持するための塗装方法です。しかし、木材の通気性が失われるため、自然の調湿効果や香りが損なわれてしまう点がデメリットです。
ウレタン塗装には、においが少なくて価格が手頃な「水性」と、耐久性や強いツヤが長持ちする「油性」の2種類があります。さらに、取り扱いが簡単な「1液型」と、混合作業が必要で保存が難しい「2液型」に分かれています。使用用途や環境に合わせて、使い分けましょう。
また、ウレタン塗装は経年劣化によるヒビ割れや傷に強く、シミがつきにくいのがメリットです。しかし、紫外線には弱いため色褪せしやすくなります。
さらに、耐用年数が短いため、定期的なメンテナンスが欠かせません。傷がつくと、白っぽく目立ち、修復には専門的な知識が必要なため、自分で修復するのが難しいケースがほとんどです。
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