地震に強い家の特徴は5つ|地震に強い家が求められる理由や家を建てるときの注意点をご紹介!
日本は地震大国といわれるほど、地震の発生頻度が高い国です。家を建てる際には、万が一の災害時にも家族の安全を守れる「地震に強い家」が求められます。
本記事では、地震に強い家の特徴や地震に強い家が求められる理由、家を建てるときの注意点をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
地震に強い家が求められる理由
まず、地震に強い家が求められる理由について解説します。
・巨大地震が発生するリスクがある
・建築基準法に適している必要がある
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
巨大地震が発生するリスクがある
日本は地震大国であり、いつどこで大地震が発生するか予測が難しい国であるため、家族の安全を守るには、地震に強い住宅が求められます。世界中で発生するマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で起きている現実を考えると、日本での生活では、地震によるリスクが避けられません。
過去の地震災害では、築年数が古い住宅が倒壊するケースが多く見られました。このため、住宅を建設する際には、耐震基準を満たした設計や最新技術を取り入れることが求められています。安全性を確保するためには、地震対策を優先した住環境づくりが不可欠です。
建築基準法に適している必要がある
日本の建物は地震大国での生活を前提に設計されており、建築基準法にもとづく耐震性が求められています。耐震基準は1950年に初めて導入されましたが、1981年には新基準が定められ、その後も巨大地震を教訓に強化されてきました。
新耐震基準は、震度6強や7の地震でも建物が倒壊しないよう設計されており、阪神淡路大震災や東日本大震災での実績からも有効性が証明されています。一方で、1981年以前に建てられた旧基準の建物では損壊が目立ちましたが、新基準に適合する住宅は大きな被害を免れています。
地震に強い家の特徴は5つ
次に、地震に強い家の特徴について解説します。
・平屋
・耐震・制振・免震構造
・地盤が強い
・構造や形がシンプル
・屋根材が軽い
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.平屋
平屋は建物の高さが低いため、地震による揺れの影響を最小限に抑えられます。このため、2階建てや3階建ての建物に比べて被害を軽減しやすい点が特徴です。
地震では建物の高さがあるほど振り子のような動きが生じ、揺れが増幅される場合があります。しかし、平屋はそのリスクが少なく、地盤に近い安定した構造を持っています。
また、平屋は一般的にシンプルな形状や間取りで設計される場合が多く、均等な力を分散ができるため、耐震性の向上が可能です。こうした特長から、地震が多い地域では平屋の人気が高まっています。
なお、岡山で平屋の建築に定評のある住宅メーカーについては、こちらの記事で解説しています。
関連記事:岡山で平屋の建築に定評のある住宅メーカー10選|住宅メーカー選びのポイントも徹底解説!
2.耐震・制振・免震構造
耐震構造は、建物そのものを強化して、揺れに耐えられるように設計されており、地震発生時でも建物の形状を保つのが目的です。一方、制震構造では、制震ダンパーなどの装置を用いて揺れを吸収し、建物にかかるストレスを軽減します。
これにより、建物内部の損傷を抑えるだけでなく、揺れそのものを緩和できます。さらに、免震構造は、地面と建物を切り離して、揺れを建物に伝えない仕組みです。これにより、大地震でも揺れをほとんど感じず、居住空間の安全性を飛躍的に高められます。
3.地盤が強い
地盤が安定していない土地では、建物が揺れに対して脆弱になり、沈下や倒壊のリスクが高まります。このため、家づくりをはじめる際には、土地の選定段階から地盤の強さを重視しなければなりません。
平成12年以降、建築前の地盤調査が義務化されており、調査結果にもとづいて適切な地盤改良工事が求められます。たとえば、地盤が軟弱である場合には、土を固化する表層改良や、コンクリートや鋼管を使用して地盤を強化する工法が選択されます。
地盤の性質や建築予定の建物規模によって費用が変動するため、土地購入時に地盤調査の重要性を認識し、適切な対策を講じましょう。
4.構造や形がシンプル
シンプルな正方形や長方形の構造は、地震の揺れによる力を均等に分散しやすく、倒壊リスクを低減します。一方で、L字型やコの字型のような複雑な形状、1階部分がカーポートになっているような壁の少ない設計は、特定の箇所に力が集中しやすく、損傷が発生しやすい傾向にあります。
また、耐震基準を満たしていても、形状の違いによって揺れに対する強さが変わるため、設計段階で注意が必要です。とくに、地震の多い地域では、家の形をシンプルにし、安全性を高める工夫が欠かせません。
5.屋根材が軽い
屋根が重いと建物の重心が高くなり、地震時の揺れが増幅されやすくなるため、瓦やセメント瓦などの重量のある屋根材は慎重に選ばなければなりません。近年では、軽量な屋根材であるガルバリウム鋼板や軽い金属製の素材が注目されています。
これらは、地震時の揺れを軽減して、建物全体の安全性を高める効果があります。また、自治体によっては、屋根の軽量化や耐震改修に対して補助金が支給される場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
軽量屋根材を採用すれば、地震への備えと同時にコストの負担軽減を両立できる点もメリットです。
地震に強い家を建てるときの注意点は3つ
次に、地震に強い家を建てるときの注意点について解説します。
・大きな吹き抜け
・ビルトインガレージ
・窓の数や大きさ
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.大きな吹き抜け
吹き抜けのある家は、開放的でデザイン性が高いですが、地震対策には注意が必要です。吹き抜け構造では柱や壁の数が少なくなりがちで、建物の耐震性を低下させる原因となる場合があります。このため、設計段階で耐力壁を適切に配置するなど、耐震性を補強する工夫が大切です。
また、吹き抜けを採用すると、冷暖房効率が低下し光熱費が上がる可能性や、2階の有効な床面積が減るといった実用面での課題もあります。デザイン性と機能性のバランスを考慮しつつ、専門家と相談して安全で快適な空間づくりを心がけてください。
2.ビルトインガレージ
ビルトインガレージは、限られた敷地を有効活用できるメリットがありますが、耐震性の確保が課題となる構造です。1階部分に壁が少ないため建物の強度が低下して、大きな地震が発生した際には揺れに対する抵抗力が弱くなる場合があります。
しかし、ガレージ部分の柱や梁を強化したり、上部の床構造を補強したりする方法で安全性を向上させられます。また、重量鉄骨工法や特殊な耐震技術の採用も、耐久性を高める方法のひとつです。
ビルトインガレージを取り入れる際には、耐震性とデザインの両立を目指し、専門家と十分に相談しながら計画を進めましょう。
3.窓の数や大きさ
窓の面積が増えると、建物を支える壁の面積が減少して、耐震性が低下する可能性があります。一方で、窓が少なすぎると採光が不足して、居住環境の快適性が損なわれるため、窓のデザインには耐震性と快適性を両立する工夫が必要です。
たとえば、大きな窓を設けたい場合でも、窓の配置を分散させれば耐震性を確保できます。また、窓を高い位置に設ければ壁の強度を維持しながら十分な採光を得られます。
家づくりでは、耐震性能を優先しつつも、自然光や開放感を取り入れる設計が欠かせません。施工会社と相談しながら、安全性と快適さのバランスが取れた家を目指しましょう。
サイエンスホームの家が地震に強い理由
サイエンスホームでは、在来軸組工法とモノコック工法を組み合わせた独自の建築方法を採用しています。在来軸組工法は、木材を使用して柱や梁を組み立てるフレーム構造で、耐風性や防火性、断熱性に優れています。
一方、モノコック工法は、壁や床などのパネル構造で建物を支え、耐震性能が高い点が特徴です。この2つの工法を融合させたハイブリッド構造により、地震や台風などの外力を建物全体に効率よく分散させ、損傷を最小限に抑えられます。
柱や梁とパネルが一体化した構造は、強度と柔軟性を兼ね備え、建物が大きな力を受けても変形しにくい安定した住まいを提供します。
地震に強い家の特徴でよくある3つの質問
次に、地震に強い家の特徴でよくある質問について解説します。
・質問1.木造と鉄骨はどちらがおすすめ?
・質問2.耐震等級とは?
・質問3.地震に強い家を建てるためにはコストが高額になる?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.木造と鉄骨はどちらがおすすめ?
木造住宅と鉄骨造住宅は、それぞれ異なる特長を持ちながら、どちらも地震に強い家を実現します。木造住宅は、木材が持つしなやかさによって地震のエネルギーを吸収しやすく、軽量であるため揺れを最小限に抑えられる点が魅力です。
また、木材は乾燥によって強度が増すという性質があり、適切な施工を施せば頑丈な構造を保てます。一方、鉄骨造住宅は耐用年数が長く、金属の高い強度を活かした設計が可能です。
地震対策を考える際には、それぞれの素材や構造の特性を理解して、家族の生活スタイルや立地条件に合った建築方法を選びましょう。どちらの選択でも、適切な設計と施工が耐震性を大きく左右します。
なお、木造住宅の耐用年数については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:木造住宅の耐用年数とは?平均寿命や長く住むためのコツを詳しくご紹介します!
質問2.耐震等級とは?
耐震等級は、建物の構造が地震に対してどのくらい安全であるかを数値化したもので、住宅性能表示制度にもとづいて評価されます。等級は1〜3に分かれ、等級1は建築基準法の最低基準を満たすもので、震度6強の地震でも即座に倒壊しない設計です。
等級2は等級1の1.25倍、等級3は1.5倍の強度が求められ、とくに等級3は消防署や警察署の建物で採用されるレベルです。また、耐震等級が高い住宅は地震被害を最小限に抑えるだけでなく、住宅ローンの優遇や地震保険の割引といった経済的なメリットも得られる可能性があります。
家の安全性を高めるためには、耐震等級の高い設計を選び、第三者機関の評価を受けましょう。
質問3.地震に強い家を建てるためにはコストが高額になる?
地震に強い家を建てることが、日本のような地震が多い国では大切な課題です。過去の大震災では、家の構造が被害の大きさを左右してきました。
阪神淡路大震災では、倒壊した住宅の多くが耐震性の不十分さを露呈しましたが、しっかりした構造の住宅は揺れに耐えられました。地震に強い家づくりには、耐震基準を満たす設計が不可欠であり、平屋や2階建てに限らず、構造そのものの強さが求められます。
このため、適切な耐力壁の配置や柱の強度、建物全体のバランスを考えた設計が揺れに対する耐性を高めます。また、建物だけでなく地盤の強さも重要な要素です。
まとめ
本記事では、地震に強い家の特徴や地震に強い家が求められる理由、家を建てるときの注意点をご紹介しました。
地震が多い日本では、安全な住まいを確保するために「地震に強い家」が求められます。巨大地震のリスクが高まるなか、建築基準法の遵守が最低条件です。
地震に強い家の特徴として、平屋や耐震・制振・免震構造、強い地盤、シンプルな構造や形、軽い屋根材が挙げられます。しかし、大きな吹き抜けやビルトインガレージ、窓の数や大きさには耐震性を補強する工夫が必要です。
また、サイエンスホームでは、在来軸組工法とモノコック工法を組み合わせた独自の建築方法を採用しています。この2つの工法を融合させたハイブリッド構造により、地震や台風などの外力を建物全体に効率よく分散させ、損傷を最小限に抑えられます。
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